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  • 2020.04.02
  • 直系尊属・直系卑属とは?わかりやすくご紹介

尊属と卑属

相続について調べると度々出てくる「直系尊属」という言葉。
「分かっているのが当然。」という雰囲気で
平然と解説されている記事も多く見受けられます。

 

初めて相続について調べた方の中には
すぐに覚えられず混乱されてしまった方も
いるのではないでしょうか?

 

小難しい四字熟語のように見えている方でも
この記事を最後まで読んでいただければ
今後「直系尊属」「直系卑属」の単語を見かけても
動揺せずに思い出せるようになっていきます。

 

相続や生前贈与などの場面で頻繁に登場する言葉ですので
しっかりと理解しておくようにしましょう。

 

 

まずは「直系」を理解する

 

難しそうな言葉は細かく分解して
1つずつ理解した方が覚えやすい場合があります。

 

なので、まず「直系」についてお話します。

 

「直系」とは世代の上下の方向につながる系統のことです。
ご先祖様や子孫といった縦のつながりです。
「血のつながりがある縦のライン」と覚えるとスムーズです。

 

直系

理解を深めるために補足しますと、
「血のつながり」は生物学上の血縁(自然血族)だけではなく
養父母や養子も法律上の血族(法定血族)として直系に含まれます。

 

よく勘違いされますが、配偶者は該当しません
配偶者の両親や子の配偶者も含まれません。

 

対して兄弟や従兄弟、おじ・おばなどの
横に枝分かれした系統のことを「傍系(ぼうけい)」と呼びます。
ひとまず直系だけでもわかっていただければ問題ありません。

 

 

尊属(そんぞく)・卑属(ひぞく)の違いとは?

 

次に四字熟語の後半を解説します。

尊属(そんぞく)・卑属(ひぞく)の違いについてです。

 

こちらも非常にシンプルです。

 

尊属は、自分よりも上の世代のこと。
卑属は、自分よりも下の世代のことです。

 

尊属と卑属

父母、おじ・おば、祖父母、曽祖父母などが尊属で、
子や孫、甥や姪などが卑属に含まれます。
尊属がご先祖様で、卑属が子孫です。

 

こちらも養父母、養子は同様に含まれ、
配偶者の父母や子の配偶者は含まれません。

 

※ちなみに配偶者の父母や、子の配偶者は
姻族(いんぞく)に含まれます。
ここで解説するとかえって混同する恐れがありますので
今回は注釈に留めておきます。

 

 

・・・つまり、直系尊属・直系卑属とは?

 

ここまでしっかり読んでいただいた方なら
もうすでにご理解いただけているのと思います。

 

答え合わせをしますと、

 

直系尊属は、血のつながった自分より縦のラインの上の世代のこと。

直系卑属は、血のつながった自分より縦のラインの下の世代のことです。

 

直系尊属

直系卑属

 

あなたの祖父は直系尊属で、孫は直系卑属です。

 

民法で定められた相続人「法定相続人」では
今回ご紹介した言葉が使われています。

 

配偶者がいる場合は常に配偶者が法定相続人で、
他は相続順位が決められています。

 

相続順位第1順位が直系卑属、
相続順位第2順位が直系尊属、
第3順位が兄弟姉妹や甥・姪になります。

 

・・・ご理解いただけたでしょうか?

 

 

まとめ

 

相続に関する用語は見慣れないものが多く、
初めて調べる方にとっては読み終えるのも一苦労かと思います。

 

しかし、1つずつ言葉の意味を理解していくことで
一見難しく見えるような記事でも
スムーズにご理解いただけるようになります。

 

もちろん、必ず覚えなければならないわけではありません。
完璧にすべてを理解するのは時間も手間もかかります。
ある程度勉強された方でも一度は相続のプロに相談し、
クリアな状態で相続手続きを進められるようにしましょう。