- 2020.09.14
相続にかかる費用ってどれくらい?
相続の各種手続きには、費用が発生します。
自力で進める場合でも、ある程度の実費は必ず発生しますので
あらかじめ把握しておいた方が安心です。
ここでは自分で相続手続きを進める場合の費用や、
司法書士や弁護士などの相続のプロに任せた場合の費用などを
まとめてご紹介していきます。
ぜひご参考になさってください。
目次
1.必ず支払わなければならない実費
自分で手続きを進める場合でも、専門家に依頼する場合でも、
役所等に支払う実費は発生します。
※ご紹介する書類は、費用が発生するもののみを挙げています。
実際に手続きを行う場合は、以下必要書類と併せて、
遺言書や遺産分割協議書、実印(または委任状)などの書面が必要となる場合があります。
この点、ご留意ください。
不動産の名義変更(相続登記)
登記事項証明書 : 不動産1件につき600円(窓口で申請する場合)
戸籍全部(一部)事項証明書 : 1通450円→すべての相続人ごとに必要です。
改製原戸籍・除籍謄本 : 1通750円→被相続人(亡くなった方)について出生から死亡までの全ての戸籍を取得いたします。
住民票・被相続人の住民票除票: 1通200~300円(役所ごとに異なります。)
印鑑登録証明書 : 1通200~300円(役所ごとに異なります。)
固定資産税評価証明書 : 1通(又は物件ごと)100~400円(役所により異なります。)
※戸籍の種類等につきましては、別のコラムをご参照ください。(→戸籍の種類)
これに加えて、不動産を管轄する法務局へ支払う登録免許税も必要になります。
登録免許税とは、登記の際に、法務局に対して支払う手数料のような税金です。
相続登記を行う場合の登録免許税は、相続対象となる不動産の固定資産評価額×0.4%です。
たとえば2000万円の不動産について、相続を原因として所有権移転する場合、
2000万円×0.4%=8万円を、登録免許税として納めることとなります。
預金等の名義変更
戸籍や住民票等の必要書類については、上記と同様の書類を集める必要があります。
なお戸籍謄本や住民票は他の金融機関で使用したものを再利用できる場合がほとんどです(※)。
また、法務局で法定相続情報一覧図を作成した場合は、
それをもって、戸籍や住民票の代用として利用できる金融機関も増えています。
※提出する各種証明書につきましては、金融機関の窓口でお願いをすれば
原本を戻してくれることが多いような印象を受けます。
原本の還付に関する決まりは、金融機関によって異なりますので、
その都度確認をするようにしてください。
自動車の名義変更
移転登録手数料 : 500円
車庫証明取得費用 : 2500円~3500円(都道府県ごとに異なります。)
ナンバープレート代: 1500円前後~10,000円
(地域によっても異なります。ご当地プレート、希望番号など
条件付けにより差が出てくるためです。ナンバー変更がない場合は不要です。)
※ディーラーへ一括で依頼するケースが多かろうと考えます。
手続きの際にご確認ください。
2.専門家に依頼する場合の費用(目安)
上でご紹介した費用とは別に、
相続の専門家に代行を依頼した場合にかかる
費用の相場をご紹介します。
大まかな相場としましては
不動産の名義変更 : 3万円~10万円程度。
不動産や相続人の数、内容の難易度によって費用が高額になるケースもございます。
戸籍や住民票などの収集: 1請求あたり数千円~1万円以内。
相続税申告の代行 : 相続財産の1%未満程度
(事例)2000万円の不動産を相続する場合だと、2000万円×1%=20万円
相続人間で折り合いがつかないなど、トラブル(法的紛争)が発生し、
弁護士を依頼した場合、こちらも数十万円の費用がかかります。
ただしここでご紹介した金額はあくまで目安で、
実際の料金は事務所や案件の具体的な内容によって異なります。
依頼を検討している場合は他事務所としっかり比較検討し、
相続に強い専門家に任せるようにしましょう。
3.費用がかかっても、専門家に任せることをオススメします
相続手続きは人生で何度も経験するものではありません。
難しい専門用語や数字が並ぶため簡単にはいきません。
また相続手続きには期限が決められているものもあります。
特に相続放棄手続きに関しては、原則として、
相続開始を知った時から3ヶ月までに行う必要があります。
難しいことをスピーディーに、確実に行う必要があるため、
予想以上に大きな手間と時間を要することになります。
相続はひとりだけの問題ではなく残された家族全員に関わる問題ですから
自分の思い通りにはいかないものだと思ってください。
自分でやろうと思って手間と時間をかけたものの、
結局断念して専門家へ依頼するケースも少なくありません。
時間があり、相続に精通している方でなければ、始めから専門家へ依頼した方が賢明です。
また、「あなたの場合はいくらかかるのか」は
ネット上でいくら探しても見つかりません。
ぜひ一度は相続の専門家に相談し、
あなたの場合の見積もりと具体的な進め方を
アドバイスしてもらいましょう。
(東京司法書士会所属|登録番号:7237 認定番号:501362)
司法書士。相続案件、会社法務、債務整理、簡裁訴訟代理などを中心とした業務を担当。