- 2020.10.11
相続の話をするのはいつが良い?年末年始?お盆?それとも・・・
相続についての話をいつするのが良いのか?
もちろん早いに越したことはありませんが
実際にはなかなか思うようにはいかないものです。
元気なうちに切り出せば遺産目当てと疑われるかもしれませんし、
亡くなってすぐに切り出せば薄情だと言われるかもしれません。
切り出すタイミングを探っているうちに
認知症が始まってしまうようなことがあると
ややこしい問題になってきます。
この記事では、相続の話を切り出すタイミングについて
一緒に考えていきたいと思います。
これはあくまで目安ですので、それでもうまく切り出せない場合は
相続の専門家に相談してみることをオススメします。
1.一般的なタイミングは四十九日法要の頃
相続人が集まり、かつ落ち着いて話しやすいタイミングが四十九日法要です。
お通夜や告別式の頃だと動揺してうまく話せないことが多いので
無理やり相続の話を切り出すのは避けた方が良いです。
四十九日法要でも「まだ早い」と感じる遺族もいるかもしれませんが
相続放棄の期限が相続を知った時から3ヶ月以内と決められているため
あまりのんびりもしていられません。
身辺整理にもある程度の目処が立つタイミングでもあるので
ここである程度解決できるように準備を進めておくと良いでしょう。
2.故人に近しい人や喪主、専門家が話を主導する
四十九日法要の前でも
配偶者や同居の子どもなど、故人に身近だった人が
相続の話を切り出せば衝突の危険は少ないはずです。
葬儀で喪主を務めた人が主導することもあります。
また、葬祭業者や司法書士・弁護士など
第三者の後押しがキッカケになることもあります。
自分から切り出すのが難しい場合は
これらの方に「言い出しっぺ」になってもらうと
スムーズに話し合える可能性が高いです。
3.親子でしっかり話し合えれば理想的
可能であれば生前から親子で話し合っておき、
生前対策をしていくのが理想です。
生前贈与などを活用することで節税効果も期待できます。
親がケガや病気をしたタイミングや、
介護施設や介護サービスを利用するタイミングよりも
本人が元気なうちに話し合えた方がお互いの希望を叶えやすいです。
たとえば相続関係にない方が亡くなった後や
テレビ番組やテレビコマーシャルで関連の話題が出た際に
話を振ってみるのも良いかもしれません。
単純に「相続はどうする?」と聞いてしまうと
トラブルになる恐れもありますから
まずは親が抱えている心配事や
子どもに託したい希望を聞いてみることから始めましょう。
財産の配分だけではなくその後の活用方法まで話し合うことで
相続対策にもなる可能性があります。
たとえば「ひとりになる妻が心配」ということであれば
財産の一部をバリアフリー改修に充てるなどの検討ができます。
相続税の不安や家族間のトラブルを避けたいということなら
生前贈与や遺言の作成を勧めるのも有効な対策です。
親が安心して任せられるようにすることが大切なので
残された家族が苦労しないで済む活用方法を
一緒に考えていく時間を作ると良いでしょう。
親子だけでは有効な相続対策が決められない場合は
相続に強い専門家に相談してみましょう。
親子で揃って相談しておくことで
相続発生後の手続きもスムーズに進みます。
まとめ
遺産相続はデリケートな問題です。
話を切り出すタイミングや進め方は慎重に考えていきましょう。
家族関係に悪影響を及ぼすことになってしまうと
相続手続きがうまく進められなくなるだけでなく
いわゆる”争続”に発展し弁護士の介入が必要になる恐れもあります。
思惑や理想は人それぞれですから
これ!という話し方の正解を出すことはできません。
お互いに相続について向き合う覚悟ができた段階で
切り出してみるようにしましょう。
うまく進められるか不安な方は、
相続の専門家(弁護士や司法書士など)に間に入ってもらい
お互いが冷静に話し合える場を用意すると良いでしょう。
この記事のような話し合いのコツについても
相続の専門家はアドバイスできますので
ぜひ気軽に相談してみてください。
(東京司法書士会所属|登録番号:7237 認定番号:501362)
司法書士。相続案件、会社法務、債務整理、簡裁訴訟代理などを中心とした業務を担当。